ログハウスはデメリットが多いと言われがちです。その反面、デメリットさえ忘れるような、木のぬくもりの中で過ごせる空間にたちまち魅了される人が多いことも事実。
ログハウスは、別荘や田舎暮らしで多く選ばれています。都会の生活に疲れたり、自然を身近に感じられたりする空間として最適です。「コンクリートに囲まれた生活から、田舎暮らしにシフトしたい」と考える人は、ログハウスを検討すると良いでしょう。
しかし、ログハウスは通常の建物とは勝手が違う分、戸惑うことも少なくありません。それがデメリットと感じる人もいるようです。
ログハウスのデメリットをしっかり理解した上で、快適な田舎暮らしを目指しましょう。
ログハウスのデメリットは構造にあり...木造住宅とは違う苦労
ログハウスのデメリットの根源は、その構造や仕組みにあります。ログハウスといえば、日本の住宅街よりも、スウェーデンやカナダなど、北欧諸国や山小屋などのイメージが思い浮かびますよね。
寒冷の地で建てられてきたログハウスを日本で建てるとなると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。日本においてのログハウスの構造や通常の建物と異なる点も含めて説明していきます。
ログハウスの意味や構造
ログハウスの「ログ」は丸太を意味し、ハウスと合わせた和製英語です。ログハウスは「丸太組構法」という丸太を横に積み重ねて壁を作り、その上の屋根を支えるという作り方をしています。実は、奈良県にある正倉院は、「校倉造り」というログハウスの基本の仕組みと同じ構法のため、日本最古のログハウスと言われています。
ログハウスは、大きく強い丸太を積み重ねて壁や屋根を支えることができるので、大きな空間や自由に間切りして配置できることが特徴です。また、外壁と内壁の役割を果たすのもログハウスの特徴ですが、デメリットとして、木の特性である収縮性により、隙間風や雨漏りが起こることもあります。
ログハウスと木造住宅の違い
ログハウスは、揺れを吸収する耐震性が高かったり、丸太の厚みや性質から断熱材が不要だったり、デメリットは感じづらいでしょう。しかし、木造住宅の構造と比べると、細かいデメリットも見えてきます。
一般的な木造住宅の構造は、主に2種類。日本古来の柱と梁で骨組みを作る木造輪組工法と、2インチ×4インチの木材で作ったパネルを組み立てていくツーバイフォー工法です。これらは、建物の高さやデザインなどログハウスよりも自由度が高く、さらに後からリフォームしやすい面があります。細部にわたってこだわりがある人だと、ログハウスでは融通が利きづらいと感じることがあるでしょう。
固定資産税が高い場合も...
ログハウスの固定資産税は、よくデメリットにあがる1つです。固定資産税には、構造や資材などの細かい表評価基準があり、一戸ずつ固定資産税額が定められます。
ログハウスの固定資産税は、木造の丸太組構法建物の評価基準法を用いて役所が行い、全般的に高く算出される傾向があるのが実態です。例えば、一般的な木造住宅の1割程度高く設定されています。しかし、そもそも固定資産税は、その地域によっても異なりますので、しっかり確認しておくことが大切です。
ログハウスのデメリットはメリットにもなり得る!魅力を紹介
ログハウスのデメリットは価格や構造など細かな点にありますが、それは他の住宅を持ったとしても、同じことが言えますよね。また、ログハウスのデメリットは、元々自然やログハウスが好きな人であれば、考え方によってはメリットにもなるでしょう。
ログハウスのデメリットがメリットに変わる魅力的な点を紹介していきます。
メンテナンスは愛着心に
ログハウスには、天然の木材を使用しているため、定期的に行う独自のメンテナンスが不可欠です。例えば、建てた後に木が乾燥して収縮したり、外壁が沈んできたりする「セトリング」に対する対策が必要ですが、これにはあらかじめスクリュージャッキという高さを調節する部材を柱にはめ込んでおくことで、半年に1回、あるいは1年に1回の点検程度で調節できます。
そのほかに、約5年に1度で外壁の塗装の塗り直し、定期的な煙突掃除や凍結防止、害虫対策なども。ログハウスの寿命自体は長いものの、その分必要なメンテナンスは多いです。しかし、家と共に生きているような感覚や手間がかかる作業が多いほど、愛着が湧いてくるという人も多いようです。
重労働も運動の一部
ログハウスのメンテナンスを、業者に頼んでばかりではいられません。自分たちで行う定期的なケアこそ重要です。メンテナンスは多岐にわたるので、休日に1日かけて行う場合も。また、ログハウスを建てる場所や内装によっては、薪ストーブのために薪割りが必要になります。
メンテナンスは重労働なので、普段なかなか運動できないという人にとっては、汗を流しながら体を動かすチャンスです。面倒に思う人は向いていませんが、自分たちの生活の一部として考えられれば一石二鳥の環境となります。
自然との共存を楽しめる
ログハウスの醍醐味は、何よりも自然を身近に感じられることです。家の中が木で囲まれていれば、非日常の空間でリラックス効果を得ることができるでしょう。もちろん、家の大部分が木でできているがゆえに、虫が寄ってくることは避けられません。大雨や台風の日には雨が浸み出してくることもあり、自然の力には逆らえないことを痛感するでしょう。
しかし、自然に寄り添って生きている、ということを実感できるのはログハウスならではの魅力です。自然との共存は都会から離れて大きな刺激となり、近年の環境問題への関心も高められるでしょう。
ログハウスはデメリットだけじゃない!快適に暮らせる理由は
ログハウスは、デメリットさえメリットに変えてしまう魅力的な住宅です。一般的な住宅に比べて独特の構造やメンテナンスがありますが、年々ログハウスの需要は高まっています。なぜ、ログハウスに住みたいと思う人が増えたのでしょうか。
ログハウスで快適に暮らせる理由を、メリットとともに紹介します。
耐震性や耐火性に優れている
ログハウスは丸太を横にして一本一本積み上げ、その一本一本をダボという金属でつなぎ合わせていくため、耐震性に優れた構造です。地震が起きたときは、木のしなりで揺れる力を吸収してくれます。
また、丸太は燃えるのに時間がかかることに加えて、内側まで燃えずに炭化していくので燃え広がることも稀です。そのため、避難、消火活動までの時間稼ぎができます。災害大国である日本では、自然災害は避けられません。その分、家自体が耐震・耐火性に優れていれば安心して暮らせますよね。
断熱効果や湿度調節による省エネ
ログハウスで使われる木は、人工的に作られた素材ではないので、断熱効果が高いです。木の熱伝導率は、鉄の12分の1と言われています。さらにログハウスの丸太に関しては、厚みが100mm以上あるため、外からの熱が伝わりづらく内側の熱は逃げづらい構造といえるでしょう。
天然の断熱材になり、木が調節してくれるため、省エネにもなります。冬の夜は一度部屋を暖めておけば、朝まで快適に過ごせるようになることは間違いありません。省エネに繋がれば、節約になるだけでなく、環境にも優しく配慮して暮らすことができます。
天然素材を活かした健康的な生活
冷房や暖房の効いた部屋でストレスなく過ごす、というのも気持ち良いですが、体の健康を考えるとあまり良くありません。体温調節がしづらくなり、免疫力が下がれば生活習慣病にかかりやすい体質になってしまいます。
ログハウスの素材は無垢なので、先述のように自然と部屋の温度調節をしてくれます。また、素足で過ごせば体の刺激にもなりますし、ウッドデッキを作れば、いつでも外でBBQができるなど、非日常の空間によってストレス発散にも繋がるでしょう。天然素材を活かしたログハウスは、心身共に健康的な毎日を運んできてくれます。
まとめ
ログハウスはデメリットが多く見受けられますが、デメリットを押さえてまでログハウスに住みたいという人も多いです。デメリットの多くは、丸太を積み重ねて作る分、一般的な木造住宅と比べて大きな空間になったり、固定資産税が1割ほど高いことがあげられます。
その他にもデメリットはありますが、住んでいくうちにメンテナンスの面倒は愛着に変わったり、通常では体験できない体力仕事が運動になったり。自然の摂理に従いながら共存することが、環境問題を考える良い刺激としてメリットにもなり得ます。
また、ログハウスは天然素材を使った無垢の木材のため、耐震性や耐火性に優れていたり、断熱効果による省エネ対策にもなります。木のぬくもりで心身ともに癒され、健康的で快適に過ごせるだけでなく、環境に配慮したり災害対策にもなるメリットなどがデメリット以上の魅力がありますよ。
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